月に秘めた恋

ドクン


心配・・・してくれたの?


「はぁ・・・でもよかった


ほら 送って行くから」


「・・・1人で帰る」


そう言って ベンチから立った


まだ・・・少し気持ち悪い


フラ


前に倒れそうになる


ガシ


「そんなんで帰れる訳ねーだろ?


タクシー呼ぶから」


「・・・やめて!」


そう言って 湊君から離れた


こんなの・・・嫌だよ


「そんな・・・同情しないでよ


自分でもこんな事になるなんて・・・」


涙が溢れて 頬に伝ったのがわかった


「・・・未憂」


「もう・・・放っておいてよ


だいたい 湊君には関係ないでしょ?


私の事・・・好きってだけで


わかったような事言わないでよ!」


違う・・・本当はこんな事思ってない


こんな事言いたいんじゃない


せっかく心配してくれたのに・・・


お礼言いたかったのに・・・


自分が自分じゃなくなっていく