だって、こうして一番聡のそばに居られる。
堂々と、腰に手をまわすことは出来ないけど…
部活後の、
ちょっぴり汗臭い聡は私しか知らないんだもん。
それでいい。
それだけでいい。
いつか、
聡に好きな人が出来るまで、
それまでで良いから…
聡の一番近くは、
私がいい。
「っあ!」
「…きゃ!」
急ブレーキがかけられたせいで、おでこを思いっきし聡の背中にぶつけた。
「いてっ」
「茉莉香!」
振り返った聡の目がキラキラ輝いている。
「…なに?」
「あれっ!」
指差した先には
『花火大会』
の文字。
「花火大会?」
「行こうぜ!一緒に!」
いつもは割とクールな聡が大興奮してるもんだから
思いっきり笑ってしまった。
「なんで笑うんだよ」
拗ねた聡がまた可愛くて…
「花火大会、行こ」
満面の笑みでそう答えた。
「おぅ!浴衣、着てこいよ。」
聡はニッコリ笑ってからまた自転車を漕ぎ出した。


