ボクはお兄さんの手に引かれて、細い田舎のあぜ道を歩き続けた。 どこに着くのかもわからない。 だけど、きっと今までの地獄とは比べ物にならないくらい穏やかな暮らしが待っているだろう。 「あの……」 「ん?」 「あなたのことは、なんて呼んだらいいですか?」 そう尋ねると、その人は少し悩んだそぶりを見せ、ふっと柔らかく微笑んだ。 「僕は僕だからねー。お兄さん、とかでいいんじゃない?」 なんて適当な人なんだ。 それが、彼の第一印象。