約三十人分の夢が詰まった教室は毎日同じに見えるのに、未来を考え卒業した頃に振り返り“今”を考えたなら、たちまち儚さを覚えるのは何故。 赤ちゃんを起こさないよう息を潜める俺は、なんだか切なさに比例し泣きたくなってしまっていた。 ……白くて綺麗な子。 彼女の寝顔を独り占めできることが彼氏だけの特権なのだから、 その他大勢の自分でありながら擬似でも近藤洋平の立場を気取れている今、幸せを感じている。 けれど自分で寝付けさせることが可能な本物の恋人は、どれだけ贅沢なのだろうか。