「翔ちゃーん。こっち!」

駅前に着くと、愛子の明るい笑顔と、結花のおだやかな笑顔があった。
結花はぼくと秋にドーナツ屋で会ってから、何回かメールをくれていたが、会ったのはそれ以来だった。


「なにに乗る?」
愛子は、どうやら絶叫マシンを乗り回す気でいるようだった。

「んー。ぼく、こういうの苦手なのね」

「結花は?」

「わたしもちょっと…」

「わかった。じゃ、一人で行ってくる!」

愛子は行列のなかに突っ込んでいった。
あの様子じゃ、40分は待つことになるだろう。