それは、突然のメールから始まった。 夏休みが終わり、秋が深まって涼しい風がそよぎ始めたころ、 「翔ちゃん、会って話がしたいの」 と、結花からの連絡がやって来たのだ。 ぼくは腰がぬけるかと思うくらい、びっくりした。 いったい、なにが起こったんだ?! 指定された駅前のドーナツ屋――愛子とおしゃべりした場所だ――に行くと、久しぶりに見る結花は、肩を落としてしおれた花のようになっていた。 ぼくは、なにが始まるのかとドキドキしながら、「久しぶりだね」と声をかけて、結花のまえに座った。