こんな大事なことを、ぼくはずっと放置しておくわけにはいかなかった。


駅の改札を出たとき、ぼくはふとした瞬間を盗んで、結花にキスしようとした。

でも、彼女はぼくの動作をすっとかわして、何気ない調子で歩き続けた。



――決定だ――、



ぼくは予期せず、自分の勘が当たったことに、がくぜんとした。




結花は、和尚に恋をし始めている。
間違いない。