ぼくは念願のパイロットになった。 まだ年齢的には副操縦士だが、やがて機長になる日も近いだろう。 愛子は、新聞記者になって、地方を飛び回っているらしい。 いまは、年賀状をやり取りするくらいの関係だ。 ある日、ぼくがニューヨークの一角にあるバーに入ると、驚いたことに、そこに和尚がいた。 「…!!元気かよ?!」 ぼくらは、再会を喜び合って、乾杯した。 彼は、ウォール街の辣腕証券アナリストになっていた。