兄弟………。妹の望の姿が頭を過ぎる。 望……。あたしを恨んでるよね?あなたから全てを奪ったあたしを…。 「漣!!」 名前を呼ばれて我に返ると、坂原が膝をついてあたしの顔をのぞきこんでいた。 「…………あ……ごめん。」 そう言うと、坂原はあたしの頭をワシャワシャと撫でた。 「坂原!?」 「変な顔してるから!!」 そう言って坂原は寂しそうに笑う。