「そう……。寂しいよね。だから、健康で、目も見えてる柚ちゃんはとても幸せだと思わない?」
その言葉に柚ちゃんは頷いた。
「柚ちゃんみたいに健康に生まれてきて、何不自由なく生きてる。これ以上に幸せな事って無いって思うな。」
って……。あたしは小学生相手に何を難しい話をしてるんだろう。
でも、柚ちゃんには、大きくなった時、あたしみたいに自分の人生を呪ってほしくなかったから。
「柚はすごい幸せなんだね!!」
そう言って見せる柚ちゃんの笑顔は、坂原の笑顔と似ていた。無邪気で純粋な笑顔……。
あたしは柚ちゃんの頭を優しく撫でた。


