「嘘だろ…………。失明するって……。」



まるであたしに確認するように呟く。あたしは無言で首を横に振った。



「…っ…………漣っ!!」



ガバッ


突然何かに抱きしめられた。見えなくても分かる……。



「………………坂原…。」


あたしを抱きしめる手は震えていた。人の温もり…。こんなに温かいものなんだ。



「一人でずっと苦しんでた?泣いてた?俺がもっと早く漣に出会えてたら………。」



その声も体も震えていた。もしかして……。


あたしは手探りに坂原の顔に触れる。ちょうど頬に触れると、雨とは違う温かい雫が、手に流れ落ちてきた。



「……泣いてるの…?」



驚いてそう尋ねると、さらに強く抱きしめてくる。