「……………ん…」


目を覚ますと真っ暗。今日は目覚ましをかけなかった。長く眠っていたかったから。



「…坂原…………。」



本当にずっと待ってるつもりなの?あたしは行かないし今は誰とも会いたくなかった。



渋々、ベッドから降りて部屋を出る。時計を見ると、ちょうど13時くらいだ。



坂原…時間も何も言ってなかった。もしかしたらいないのかも。



「…って………。あたしには関係ないよ。」



洗面所で顔を洗い、タオルに顔を埋める。昨日の出来事が、走馬灯のように頭の中を巡る。



昨日は色々あった。色々ありすぎて疲れた。今なら本当に消えてもいい。




望は昨日、帰って来なかった。お父さんは、いつも仕事で家に帰ってくる事は少ない。お母さんはあれから部屋にこもっていた。