「はぁっ…はぁっ……。」 走れば走るほど、冷たい風が体温を奪っていく。 どんなに拒んでも…どんなに遠ざけても…。 やっぱり……心の何処かで、陽の事考えてる…。 ドンッ…ズシャッー!! 「…痛っ……。」 「前見て歩けよ!!」 人とぶつかり、転んでしまった。 「………痛いなぁ…。」 本当に…あたしは馬鹿だと思う。それでも…誰かの為に必死になれる事は幸せだ…。 あたしは立ち上がり、土も払わずにまた走る。 何度ぶつかったって…。 「陽に会いたいっ…。」