「…七瀬…………。」
「あんたの頭で、色々考えたって答えは出ねぇーよ。気になる事があるなら、直接本人に聞け。」
七瀬の言葉に、心が揺れる。俯いて考え込んでいると、頭の上にあった七瀬の手が、あたしの頬に触れた。
「な、七瀬………?」
至近距離で見つめられる。戸惑いながらも、あたしは七瀬を見つめる。
「…それでも…。それでも坂原先輩と縒りを戻さないなら……。」
心臓の音が早くなる。七瀬は、何を言おうと…。
「…俺の所に来い……。」
七瀬の言葉が、何度も頭の中でこだまする。
「な…七瀬……。何言って……。」
「考えとけ。」
七瀬は頬から手を離し、もう一度あたしの頭を撫でた。
七瀬は決して冗談なんかで言っていない。本気で言ったんだ。
いつもあたしを支えてくれた七瀬…。背中を押してくれた人…。
あたしは冷めたお茶に口をつけた。
あたし…どうしたらいいの…?


