「…っ…おいっ!!」
あたし…何でこんな所にいるんだろう……。
「…おいって………。」
どうして…あたしの決意を揺るがそうとするの…?
「おいっ!!」
グイッ
「…きゃっ!?」
腕を捕まれ、バランスを崩す。そんなあたしを、誰かが抱きとめた。
恐る恐る見上げると、上から七瀬が覗き込んでいた。
「…何やってんだよ!?」
びしょ濡れのあたしを、七瀬は驚いたように見下ろしている。
「………七瀬……っ…。」
七瀬の顔を見た瞬間、涙が溢れ出した。
「…お、おいっ…どうした!?」
七瀬は慌てたようにあたふたしている。
あたしはただ泣き続けた。広いこの世界に一人ぼっちになってしまった…そんな不安に駆られていたのに…。
七瀬の姿を見た瞬間、安心して涙が出たのだ。


