ピチャン…
バスから降りると、さっきまでの雪は雨になっていた。そんなに強くは無いけれど、弱くも無い雨。
結局あたしは、終点の駅までバスに乗ってしまった。
雨に打たれながら、あたしは駅近くのショッピング街を歩く。
人が多く、何度もぶつかる。日も暮れてきたせいで、視界が悪くなる。
ただひたすらに、ぼーっと歩いていた。
「……冷たいな……。」
手も…心さえも…。雨があたしの温もり全てを奪っていく。
傘もささずに歩くあたしを、道行く人がジロジロと見ているけど、そんなのどうでも良かった。
今は…陽の事しか考えられない。


