キーンコーンカーンコーン


3時間目の授業の終わりを告げる鐘が鳴る。あたしは教科書を閉じて席を立ち上がった。



「あっ…幸ちゃんサボり?」



葉月がタタタッとあたしに走り寄る。



「うん。授業面倒だし。図書室で点字の勉強しようと思って。」



あたしは鞄に筆記用具等、必要な物を詰めて持ち上げる。



「あ、じゃあこれあげる!」



葉月は自分のポッケをガサガサと漁る。



「あった!勉強には甘いものが最適だっていうし…。」



そう言って、あたしに飴玉を何個か渡した。



「こんなに…ありがとう。」



「私には、これくらいしか出来ないけど…頑張ってね!」



葉月の言葉に笑顔を返して、あたしは図書室へ向かった。