陽と別れてから数日。冬休みまで残りわずかとなった冬の朝、あたしは一人の登校にやっと慣れてきたのを感じた。



いつもなら、陽がいたんだよね…。今では一人で登校出来ているのが不思議だ。



「…寒いな……。」



手にハァッと息を吹き掛ける。今では、あたしの手を温めてくれる人はいない。



マフラーに口を隠して、少しでも寒さを防ぐ。



あっという間に冬。この一年、本当に早かったな。



「幸ちゃーん!!」



後ろから名前を呼ばれて振り返ると、葉月が手を振って走り寄ってくる。



「おはよう。」



息を切らす葉月に、笑顔を浮かべながら挨拶をする。


「…はぁっ…おはよう幸ちゃん。」



葉月は笑顔を浮かべて、一緒に歩き出す。



「幸ちゃん最近元気になったね。」



葉月の言葉にあたしは笑う。



「ふふっ…元から元気だよ。」



「もう…じゃあそういう事でいいよ。」



葉月は困ったように笑う。


「あたしね…今出来る事を出来る限り頑張ってみようって思うんだ。」



葉月はうん、うんと頷きながら聞いてくれる。



「あたしに幸せを教えてくれた人がいるから。」



もう大丈夫…。こうやって少しずつ進んでいけばいい。



「…幸ちゃん……。あたしに協力出来る事があったら、いつでも言ってね。」



「ありがとう葉月。」



二人で話していると、いつの間にか学校に着いた。