「おはよう…葉月。」


あたしは、いつものように勉強している葉月に声をかける。



「幸ちゃん…おはよう!」



あたしの泣き腫らした目を見ても、何も触れずにいてくれる。そんな葉月の優しさが嬉しかった。



「葉月…あたし…頑張るから。」



そう言って笑顔を浮かべると、葉月はあたしの手を握った。



「一人じゃないよ。幸ちゃんは一人じゃない。私に幸ちゃんがいるように、幸ちゃんには私がついてるから。」



葉月の言葉が、あたしの心の傷を癒してくれた。



「…ありがとう…。」



あたし達はお互いに笑顔を浮かべる。



葉月…ありがとうね…。



陽がいない生活に、あたしが慣れる事は無いだろう。それでも…。



一人で歩いていかなくちゃ…。