「目が見えなくなる…か…。」



その時が来たら、あたしはどう生きていくんだろう。生まれた子供の顔も分からない…。



目が見えない母親を、子供はどう思うだろうか…。



「…赤レンジャー!!」

「わぁーっ!!」



帰り道である川沿いを歩いていると、ランドセルをしょった小学生があたしの横を駆け抜けていく。



立ち止まってその姿を目で追った。



あたしのせいでイジメられたり…するんだろうか…。


陽の事もそうだ…。盲目のあたしといたら…きっと…いや、絶対に大変な思いをさせてしまう…。



あたしは…何度陽に頼ってきたのだろう…。



自分は可哀相だ…不幸だ…。そうやって自分の運命を呪ってた。



陽といる時間は、あたしにとってかけがえの無い時間。



陽の存在は…あたしにとっての希望で光だった。



陽が好き…大好き…。だからこそ……。



「陽にとっての…一番の幸せ……。」



あたしの傍にいて…陽は幸せになれるの…?



大切だからこそ…好きだからこそ…。



陽に幸せになってほしい…。ずっと…頼ってばっかりじゃいけない……。



あたしは…踏み出さなきゃいけないんじゃないかな…?