「…陽の馬鹿っ……。」
心臓が煩い。顔も熱いし…。恥ずかしい。
自分の頬に触れると、やっぱり熱かった。
「…ふぅ……。着替えよう。」
気持ちを落ち着かせて、あたしは服を着替えた。
鏡の前に立って自分を見つめる。
「変じゃ無いかな…。」
色んな角度から、姿をチェックする。
ちょっと前までは…自分に彼氏が出来るなんて思ってもみなかった。
「今じゃ…普通の女の子みたいに恋をしてる。服に悩んで…自分以外の誰かの事で悩むなんて、あたしには絶対無いって思ってたのに…。」
今のあたしは…本当に幸せだと思う。
「行ってきます、幸!」
鏡の自分に笑顔を向けて、自分の部屋を出た。


