「あ…いや………。」
キョロキョロと視線をさ迷わせている。まさに挙動不審だ。
「…陽、大丈夫?」
明らかに陽の様子がおかしい。心配になり陽の頬を両手で包んだ。
「…っ…!?」
陽は顔を真っ赤にして、片手で自分の口を抑える。
「…本当に陽どうしちゃったの?何か様子が……。」
「……が…見えてる…から…。」
「…え?」
陽が小さい声でボソリと呟いた。
「胸…見えてる…から…その……。」
陽は目をギュとつぶっている。あたしはといえば…。
ゆでタコのように真っ赤だ。陽が目をつぶっていてくれて良かった。
「ご、ごめんね!!」
慌てて胸元を隠す。寝相が悪くて胸元が開けてしまっていた。
「あ、謝らなくついいし!っというか…俺は嬉しいっていうか………。」
陽の言葉に、色んな意味で顔が熱くなる。
もちろん、怒りと恥ずかしさで。
「…っ!!変態っ!!出てって!!」
そう叫んで部屋から追い出した。


