「…うぅ…望ー………。」
「何!?どうしたの!?」
あたしの肩に手を置いて、心配そうに顔を覗き込んでくる。
「…陽が………。」
「坂原先輩がどうしたの?」
望はまだ中3だっていうのに、あたしよりしっかりしている。妹に泣きついてるあたしって……。
「陽があたしに嘘ついてるの。いつもいつも用事あるって…でもあれは絶対何か隠してる!!」
「…ん?お姉ちゃん、話が全く見えないよ…。」
望は苦笑いを浮かべた。あたしは、最近の陽の事を全て話した。
「あー………。」
話し終えると、望は言葉を詰まらせた。
「…心配しなくて平気だよお姉ちゃん。うん、大丈夫。」
そう言ってあたしの頭をポンポンと撫でる。
「何でそんな事分かるの?」
大丈夫なんかじゃない。もしあたしが荷物だって思ってたらとか、他に女の人がいたらとか…。
色々考えちゃうよ…。
「…大丈夫なんだって!!お姉ちゃんが心配するような事は何もないし、坂原先輩にそんな事は出来ないと思うよ。だって………。」
そこまで言って、望は慌てて口を片手で塞いだ。
「だって…何?望、何か知ってるの!?」
「…な、何も知らないよ!!お姉ちゃんの勘違い!考え過ぎだよ!!ほら、ご飯行こう?」
半場強引に、あたしの背中をグイグイと押す。
なんか……。望もあたしに隠してるな…。
何がどうなってるの…?


