「……………………。」


ぼーっと天井を見上げる。目を覚ますと、体中に切り傷や痣が出来ていた。



「…………これ………。」


亀裂の入った写真立てが、棚の上に戻されている。



その写真立てを手に取った。



「………ふっ……うぅっ…。」



涙が流れた。その亀裂を指でなぞる。




もう……終わりだ。あたしには何も残っていない。



家族も…夢も…未来も……



奪われた……。神様なんて信じない。あたしから全てを奪うあなたを……。



あたしは病院で貰った睡眠薬を、水も飲まずに何粒も飲み込む。



そして、ある決意をして部屋を飛び出した。