よっしゃ、恋愛小説を書こう

そういえば、啓介はなんで、さとこの告白されたことを黙ってたんだろう。

告白されてないなんて、嘘をついたんだろう。

「私、そういうの嫌いだよ」

「すまん」

さとこはどうして、だれかが告白したなんて遠回しな言い方をしたんだろう。

あたしの反応を探るような真似をしたんだろう。

「ハッキリさせてよね、いい加減」

「……そう、だな」

さとこのことが、よくわからない。

啓介のことが、よくわからない。

どっちが本当のことを言ってて、二人はいったい、どういう関係なんだろう。

そしてなんであたしは、二人の話を聞いてこんなに……

こんなに、心が凪いでるんだろう。

ヘンなの。

なぜか、なにも考えられない。

なにも感じられない。

朝だから、かな。