よっしゃ、恋愛小説を書こう

部活の休憩中に、ちょっと野球部のほうを見てみる。

ヘンな話だ。男子は野球で、女子はソフト部しかない。

男子じゃソフトはできないし、女子じゃ野球はできない。

だから、野球部とソフト部はお互いのことを、男子部、女子部とかも言ったりする。

男子部の練習風景――というか、ノックを受けている啓介を目で追いながら、あたしとバッテリーを組んでるよっちゃんに言う。

「ねーあのさ」

「んー?」

「啓介って、モテるのかな」

「アンタの幼馴染みの?」

「うん」

「モテるよ」

「うっそ!?」

意外な言葉だった。

「だって、うそ、啓介だよ!?」

「なにをそんな驚くかねえ、この子は」

よっちゃんの喋り方は、実家が八百屋さんだからかわかんないけど、少しおばさんくさい。