よっしゃ、恋愛小説を書こう

それって……

もしかして、さとこは――

「おい、まこと?」

「あ、ごめん。ちょっと考え事してた」

「ンだよ。自分から話振っといて」

「ん、ごめんごめん」

「そんだけ素直に謝られると、逆に不気味だ」

あはは、と笑ってごまかすと、啓介はよけいに怪訝な顔をした。

わかりやすいというか、隠し事は得意じゃない。

そりゃあ、思ってることが顔に出るほどじゃなくても……

嘘をついているのや、隠し事をしてるのは、ばれやすい。

「さ、とっとと行くよ」

と、啓介のお尻を蹴っ飛ばして、あたしは走り出した。

「ちぇ、乱暴女」

ぼやきながら、啓介がついて来る。

乱暴じゃなくてスキンシップだよ、バカ。