♪
次の日。
授業が終わって、部活に行く。
あたしはソフト部、啓介は野球部。
男女の違いはあるけど、部室も近いし、あたしらの仲だから一緒に教室を出る。
悔しいことに、いつの頃からか追い抜かれた背は今や、啓介のほうが頭一個分大きかった。
あたしの頭が、彼の首辺りにしか届かない。
歩きながら、意地悪に聞こえるように言ってやる。
「そういえばさ、聞いたよー? アンタ、女の子にコクられたんだって?」
「は? なんだよそれ」
「またまたー。とぼけちゃってー」
「知らないって、マジで。だれの話してんだよ?」
啓介の言葉が、真剣だった。
本当に心当たりのないことを言われて、少し怒ってるみたいに聞こえる。
あたしは、思わず立ち止まっていた。
「……マジで?」
「マジ。つーかそれ、だれに聞いたんだ?」
さとこに、とすぐに答えられなかった。
なんでさとこ、そんな嘘ついたんだろう。
あれ?
嘘、ってことだよね。
なんで?
……もしかして。
啓介に告白する女の子がいたらどうする? ってのを、聞き出したかったの?
次の日。
授業が終わって、部活に行く。
あたしはソフト部、啓介は野球部。
男女の違いはあるけど、部室も近いし、あたしらの仲だから一緒に教室を出る。
悔しいことに、いつの頃からか追い抜かれた背は今や、啓介のほうが頭一個分大きかった。
あたしの頭が、彼の首辺りにしか届かない。
歩きながら、意地悪に聞こえるように言ってやる。
「そういえばさ、聞いたよー? アンタ、女の子にコクられたんだって?」
「は? なんだよそれ」
「またまたー。とぼけちゃってー」
「知らないって、マジで。だれの話してんだよ?」
啓介の言葉が、真剣だった。
本当に心当たりのないことを言われて、少し怒ってるみたいに聞こえる。
あたしは、思わず立ち止まっていた。
「……マジで?」
「マジ。つーかそれ、だれに聞いたんだ?」
さとこに、とすぐに答えられなかった。
なんでさとこ、そんな嘘ついたんだろう。
あれ?
嘘、ってことだよね。
なんで?
……もしかして。
啓介に告白する女の子がいたらどうする? ってのを、聞き出したかったの?

