「…それは良かったですね」
と俺は再び営業スマイル
「はい!」
と女の人は嬉しそうに答える
そういえば
まだこの人の名前を知らない
「…名前ってそういえば
まだお聞きしてないですよね」
「あ!
ごめんなさい
とても失礼な事を!
私は河村と申します
どうぞこれから一年よろしくお願いします」
と河村んが深々と頭を下げたとこでやっと
リビングに辿り着いた
やっと気色の悪いピンク色の
気が長くなるほど長い廊下から開放されて
胸を撫で下ろしたのと同時に
これを毎日新聞通ると思うと
何だか少しクラッとする
リビングの扉を開くと
思っていた以上に
綺麗でシンプルな広い空間があった
「すごくいいリビングですね」
シェアハウスなんて
不安でしかなかったけど
このリビングなら
ちゃんとリラックスして
過ごせそうで
少し安心する

