―灑梛side――――――

『ハァ、ハァ…ハァ』

私は走って自分の寮部屋まで戻っていた。

なんだよ、彼奴…いきなり抱き締めやがって、気色悪い。
まず、私の身体に触れるな、穢れる…

今までに抱き締められたのは、父上、母上、瑞希だけ。
というか、その三人以外には、触られたくない。
私に触れて良いのは、私が気を許した人だけ。
私がそう言うのは、過去に色々あったから。






刺青、見られてねぇよ、な…?