―ウェンディーズside―

俺は、灑梛さんを抱き締めた。灑梛さんはびっくりしてた。
当たり前、だよな。



でも…俺は見てしまった。ポロシャツの隙間から。



――――――左胸に、黒揚羽蝶の刺青があるのを。




日本に来る前に、組織から教えられた。

《身体のどこかに、黒揚羽蝶の刺青がある奴には気を付けろ》

黒揚羽蝶の刺青は、日本の国家機密諜報部・暗殺部隊〔靈羅隊〕の証だから―――――――……



灑梛さんが、靈羅隊の一員なら俺は、灑梛さんを。






殺さなきゃ、いけない。