いくらか話し合い、地方総会は終わった。
各隊長が帰ったあと、灑梛達も素早く会議室を後にしようとするが…
「ね~ぇ、待ってよ、灑梛ちゃん、瑞希くん」
聴きたくない呼び出しが掛かった。
二人は顔を見合わせ、ゆっくりと振り返る。
『―――――なんだ』
灑梛が意を決して言葉を発する。
「実はさぁ~二人にはあの学園に入『断る』………………え?」
灑梛は間髪入れずに断わった。
『断ると言っている。
だいたい、父上の場合は私達の制服姿が見たいだけだろう。思考がバレバレだ。よく…よくそれで総領やってられるな。』
高麗は目を丸くしたが、こんな事でくじけていては、総領は勤まらない。
―――いや、愛娘に『よくそれで総領やってられるな。』と言われ、その愛娘の隣に立っている、
この人なら娘を預けても良い!!
と、最も信頼している愛娘の相棒にまでそんな事を目で訴えかけてくるものだから、本当は布団に潜り込んで、シクシクと泣きたい気持ちではあるのだが。
そんな気持ちを抑え、満面の笑みで、二つの包みを二人に投げる。