落ちた勾玉の隣には、すでに事切れた斉藤が横たわっていた。 私は踵を返し、寝室を出ると、玄関へ向かった。 外に出て、最初と同じ要領で鍵を締める。 振り返れば、瑞希がA4サイズの封筒を脇に抱えて立っていた。 「お疲れさま、灑梛」 『あぁ、瑞希もお疲れ』 お互いがお互いをいたわりあい(もちろん、本心ではないが)、二人は任務完了・報告のために、また闇に、紛れていった。