『―――機密国家諜報部・暗殺部隊第三席、靈羅灑梛。ただいまより、任務を遂行する。』

斉藤孝之の顔がどんどん青ざめていく。

「ま、待ってくれ…!!
これには、事情が、あって…」

私は、スッと目を伏せる。

『ほぅ、事情…?
申してみよ』

とは言うものの、私はまったく聴く気が無い。私は、このあとが好きなのだ。

しかし、何を勘違いしたのか、斉藤孝之は嬉々として話始めた。

うっすらと目を開け、その様子を見つめる。

(…愚かだな。どれだけ釈明しようが、命乞いしようが、貴様の運命は変わることは無いのに)

そして私は、伏せていた目を開けた。