朝目覚めれば、愛する人が目の前にいる。


互いに、事情があるために、心の片隅にはいつも淋しさがありました。


ですが、周りの者はいつも自分をいたわり、助けてくれる。


だから、ここまでやってこられました。


ですが、今は自分の辛さを分かち合える者がいる。


そして愛を語らえる。


自分は一生独り身だと諦めていた二人を、ラウノの妹が導いてくれました。


二人は、可愛い妹に大変な感謝をしました。


そして、毎日誰にも聞かれない二人だけの会話をして、幸せを感じていました。


〔本当に、あなたのもとに嫁げて幸せでございます。〕

〔呪いにかかった私のもとに嫁いできたのに、妻にそう言われると、夫としてとても嬉しいぞ。〕


夜、寝床で話していると、ルイスの様子がおかしかった。


頬を赤くして、何やらモゾモゾして落ち着きがない。



〔どうしたのだ、ルイス。〕


聞いてみると、ルイスは手を動かすのを戸惑ったが、意を決したのかラウノに抱きついて、自分の手をラウノの手に触らせ、動かした。