それから月日が経ち、二人の距離は確実に、一つに近づいていきました。


最近も、城内で幸せな噂が流れていました。


『王子様は、姫様をこの上ない程、溺愛なされているようだ。』


それもそのはずです。


仕事の合間には必ずルイスのもとへ訪れ、お喋りなさっているのですから。


妹が義理の姉に会いに来ても、追い返すのです。


「妻との退屈な時間を奪え。」
(妻との甘い時間を邪魔するな)


そう言うと、妹は笑いながら部屋から出ていくのでした。



ルイスが聞くとラウノは教えてあげました。


〔あなたとの楽しい時間を邪魔するなと言ったんだ。〕

〔まぁ、ラウノ様ったら。〕


そう言って頬を赤くするルイス。


ラウノはそれを見て、顔を緩めるのでした。



〔あなたの笑顔は私にエネルギーをくれるな。これでまた仕事に復活出来そうだ。〕

〔良かった。頑張ってくださいね。ラウノ様。〕


立ち上がるラウノに続き、ルイスも部屋のドアまでお見送りです。


〔さぁ、ルイス。いってらっしゃいのキスをおくれ。〕

〔はい。〕


毎回の決まりごとだ。


最初は恥ずかしがったルイスも今では慣れたようだった。