君を愛してない・・・

「義姉さま、よろしいですか?」

「・・・・・・えぇ。」



ドアを閉め義姉に振り替えると、さっきの強気な態度はどこへ行ったのやら。



義姉さまったら・・・。
だけど、今回は兄さまに甘えてもいいかもしれませんわね。



寂しそうな表情のルイスを見てそう思いました。



・・・それに、義姉さまに恥ずかしい思いをさせたのは事実ですし。



兄に厳しい評価を出しつつ、エステルは、今日は1日ルイスと過ごせることを嬉しくも思いました。





所変わって────・・・・



愛しい妻に振られ、肩を落としながら執務をこなすラウノに、側近のセヴランは苦笑いしながら、ラウノに話し掛けました。



「ラウノ様、そんなに肩を落とされなくてもルイス様はすぐに許してくださいますよ。」

「・・・・・ルイス・・・・・・・・」

「ルイス様もラウノ様のことを深く慕われております。今夜はきっと戻ってきてくださいますよ?」

「・・・ルイス・・・愛しているのに・・・」



無視ですか?

これはかなり重傷ですね・・・。



セヴランは何も反応を示さない王子を見て、少々頭を抱えました。



ここは一つ、私が一肌脱ぎますかね。



書類を置き席から立ち上がると、セヴランは行動を開始しました。