君を愛してない・・・

「そのような頼みごとはお断わりいたします。」



だが、ルイスに言われていることもあり、エステルは首を振りました。



「な・・・ルイスは私の妻だ!」

「だから何ですの?妻だったら、自分の欲のままに抱いてもいいと?小間使いに恥曝しにしてもいいと?」

「く・・・・・・・・」



エステルに追い詰められ、ラウノは何も言えませんでした。


今回も自分に非がある。


毎朝だが、ルイスを見るとどうしても欲しくなるのです。


だが、エステルがここまで言うのなら、ルイスも怒っているのだろう・・・


と、思ったラウノはそれ以上反撃はしませんでした。



「わかった・・・。ルイスにも謝っておいてくれ。それから、愛しているとも・・・。」



ルイスに会えず声も聞けず、肩をガクンと落としながら帰るラウノの後ろ姿に「わかりましたわ。」という声が聞こえました。