結婚式から数日後。


ラウノとルイスは、旅行に出かけました。


ずっと、お城の中にいるルイスのために、ラウノは色々な所に連れて行きました。



「ラウノ様、あれは何ですか?」

「あぁ、あれは香水だ。」

「では、あちらは?」

「あれは─────・・・」



何から何まで初めての物ばかりで、ルイスははしゃいでしまいました。




その夜、その国の王様へ会いに行き、泊めてもらった時のことです。



「ラウノ様は何でもご存じなのですね。」

「ははっ。そんなことはないさ。」

「御謙遜なさることはありませんわ。私尊敬いたします。」

「尊敬か・・・確かに私は、生きていくために必要なことや、城下のことは勉強した。だが、一番知りたいこと、一番理解していたいことは、まだ分からないんだ。」



それが何なのかは、ルイスにはよく分かりませんでした。


でも、眉をひそめるラウノを見て、ルイスは彼の手に自分の手を重ねました。



「努力家のあなたなら、きっと分かる日が来るはずですわ。」



そう言うと、ラウノはルイスを抱きしめました。



「あぁ、いつか全てを理解し受けとめられるようになってやるさ。」