呪いとは、気持ちとは逆の言葉を言ってしまうというものでした。


つまり、｢楽しい｣というのを｢つまらない｣と言ってしまうのです。


そして、この呪いを解く鍵は“真実の愛”。


王子様が誰かを本気で愛する気持ちを知らなければ、呪いは永遠にこのまま。


しかし、そのことを誰も知ることが出来ないまま、年月は過ぎて行きました。



最初は、誰もが戸惑いましたが、時間が経つにつれ慣れていきました。


王子様も努めて明るく振る舞い、笑顔を絶やしませんでした。




それから数年後、王子様は20歳を迎えました。


その頃から、王子様は胸のうちから、淋しさが込み上げてくる感覚に襲われていました。


どうやら、人が恋しく思う時があるようなのです。


王子様も、もう結婚適齢期。王子様の母親のお妃様は、王子様に結婚を勧めました。



それから、王子様のお嫁さん探しが始まりました。


これは、ほぼ王子様の妹が指揮を取って行いました。


王子様はこのとおり、厄介な事情を持っていますから、それを受け入れて支えてくれる人を求めました。


すると半年後、妹は条件にピッタリの娘を見つけてきてくれました。



そして、今日はその娘が輿入れをする日なのです。



さぁ、どうやら来たようですよ。