「あ…もうここでいいよ。 すぐそこだから。」 数メートル先にあるマンションを指して、私は涼太に言った。 「そうか?なら……」 「うん、おやすみ」 私は涼太と別れてマンションの入り口へと向かう。 「……茜!!」 突然、後ろで涼太に呼び止められた。 「どうかしたの?」 「……明日、黒田さんとどこに行くかは教えてくれなくていい。 ただ…二人っきりなのか?それだけ聞いときたい。」 涼太がいつになく真剣な目で私を見つめる。