再び彼を見ると


彼はすぐそこまで近づいていた。




「センパイは一人しかいないんですよ。」


「・・・・・・あ、当たり前じゃん。」


「周りにいくら女の子がいても、それはただの一時的な楽しみのためで。俺が欲しいのはセンパイだけです。」



これまで何回も告白されてきたけど、ここまで真剣なことはなかった。



おまけに、何でそんな




辛そうな顔するのよ・・・・・



でも、きっとこれも計算のうちなのだろう。普通の女の子ならばこんな風に口説かれたらいちころだものね。





で、結局は捨てられて終わりなんだ。





橘くんもホントに悪趣味だわ。




「きっと、いつもそんな言葉で女の子を捕まえてるんでしょうね。」



皮肉めいた声で彼に言った。



「え?そんなこと」


「でも、あたしは彼女達とは違う。あたしはルックスと言葉に惑わされるほど、バカじゃないから。」



彼の手から無理やり缶ジュースを奪い、口を開けた。



「あたしは、あなたには流されないから。」