そして更に分からない事に、俺とその“長”の間には布団が。ああ、そうか。

俺を食ったら満腹になるからすぐに寝られるようにする為か。

もしそうだとしたら異形の者も少しは可愛げがあるものだと思う。


「ごくろうだった。お前達は下がっても良い」

男特有の低音が部屋中に響き渡り、その声を受け取った二人はすぐ様どこかへ居なくなった。

その場に残ったのは俺とこの“長”だけだ。


「待っていたぞ。やっと手に入れられる」


“長”は半ば興奮気味であった。俺を贄に指名した位だし、

俺はどうやら相当気に入られているようだ。こんな気にいられ方をされるのは正直不愉快だが。