「それではまずは野菜からですね……かぼちゃは作っているのがあるから良しとして……」


雪が一人でブツブツと独り言を言っているのを聞いて、初めて知った事がある。


「あの屋敷で野菜育てているのか?」

「……はい、そうですけど? 正しくは僕達個人で、ですので屋敷はあまり関係ないですが。
屋敷から少し離れた場所に小さな畑がありますよね? あれ、僕と月花の畑なんですよ」


知らなかった。だったら俺もそう言うのをやりたいな。

許してくれはしないと分かっていつつも。

駄目だと分かっていても、俺は目で訴えていた。それを察したのか雪はやっぱり“駄目だ”の一点張りだった。