怖かったけれど此処で負けたら駄目だ。絶対に“分かった”だなんて言うものか。

言いたいとしている事は分かるけれど、それに素直に従いたくない。

ずっと従ってきた分の反動かもしれないけれど。

完全に否定する訳にもいかず、悩みに悩んだ挙句に出た言葉は……。


「極力努力するよ」

「絶対ですよ? 努力の“ど”の字もしている素振りを見せなかったその時は覚悟して下さいね?」


分かってくれたんだかくれなかったんだか。

努力をしているふりだけはしないといけないけれど、

“そうする”と言ってしまえば、確実にやらなければならなくなるから、それを回避出来ただけで良い。