永久の贄[BL]

「俺のせいなの?」

「ババ様の勝手な憶測だ。気にするな。お前のせいじゃ……」

「何を言うか。ワシは生まれてこの方、人を傷つける嘘だけは吐いた事はないぞ」


ああ、やっぱり俺のせいなんだ。ババ様の目を見れば嘘かそうじゃないかくらい分かる。

そうだよな。海理の身の回りで大きく変わった事と言えば、俺が此処に来た事くらいだし。

感じた事もないいら立ちを抱え込んでいたっておかしくないよな。


「ごめ、俺部屋に戻る……雪、卵酒も作ってあるから必要だったら飲ませて。
月花、薬渡しておくから食べたら飲ませておいて」


変な気持ちが渦巻いたまま、此処には居たくない。

誰の言葉も聞かずに、俺はそのまま自室に戻った。

でも戻っても何かする事がある訳でもない。昨日の夜のまんまの乱れた布団を片付ける事以外は。