永久の贄[BL]

でも当の月花はその言葉に疑問を抱いている様子だった。

そういう感情が薄いのは異形の者だからなのか?

何を言っても無意味な気がするからこれ以上はやめておこう。


「で、一人じゃ着替えられなさそうだったから手伝ったのか?」

「はい。一人で着替えが出来そうであれば僕達は手出ししません」


その問い掛けに、雪がはっきりとした口調で言う。

嘘は吐いていなさそうだ。それを確信した俺は視線を海理の方に向けた。


「一人で何でもかんでもやろうとするな。折角雪達が手伝ってくれているんだ。少しは甘えろよ」


……海理にこうして命令みたいな事が出来るとは。ちょっとした快感である。

しかしその喜びに浸っていられるのもほんの一瞬だった。

海理が変な事を言い出さなければもっと浸っていたれたのに。