永久の贄[BL]

「……あら、彩十さんにしては上出来ですね。しっかり焼くなんて」


月花が何処まで俺を見下していたのだろうか。でも良い。

しっかり焼けたのだから。すると今度は味噌汁を作れと彼女は言う。

早くも難題をぶつけられたような気分だ。


「海理様はお味噌汁が大好きで、味にはうるさいのですよ?
海理様をうならせるようなものを作れなければいけません。海理様の伴侶としては」


俺がどれだけ作れるのかを見たいから、と月花は何も手出しをしないと言い、

俺に全てを任せた。手ほどきをするならば手伝ってくれても良いものを。

悪戦苦闘して作る事三十分。完成したのは味噌汁とはほど遠い、得体のしれない物体だった。