永久の贄[BL]

「彩十さん、貴方は自分の立場というものを誰よりも理解しているはずです。
贄であり海理様の伴侶であり。里の住人達も全てが全て悪い者ではないとは言い切れません。
贄には何をしても自由なのは、海理様だけではなく私達や里の住人とて同じです。
ただの人間である貴方が、いくら体力に自信があったとしても自分の身を自分で守れるとは思えません」


……その言葉が俺の胸をグサリと刺す。

異形の者が何をしてきても、自分の身を自分で守れる自信は確かにない。

その言葉でもう何もかもを諦めた。“今”だけ諦めるんじゃなくて、“この先も”だ。

今だけ何をやっても無駄だと思う事すら無駄なのだ。