こっそり抜け出してしまおうか。雪も月花も今は近くにいないし。
そう考えて抜け出そうとしたのは良いが……玄関が見つからない。
おかしい。ただでさえ屋敷内は広いとはいえ、なんで玄関にたどり着かない?
これではまるで出口のない迷路をぐるぐるとさまよっているだけなのと一緒だ。
「彩十さん? もしかしてお出掛けをなさるおつもりで?」
心臓がとび跳ねた。少し低いトーンの声の主は月花だった。
振り向いたら、きっと命は奪われなくとも違う意味で殺されそうだから振り向かずにそれを精いっぱい否定した。
そしたら月花は俺の少しの望みすらも奪うような言葉を放った。
そう考えて抜け出そうとしたのは良いが……玄関が見つからない。
おかしい。ただでさえ屋敷内は広いとはいえ、なんで玄関にたどり着かない?
これではまるで出口のない迷路をぐるぐるとさまよっているだけなのと一緒だ。
「彩十さん? もしかしてお出掛けをなさるおつもりで?」
心臓がとび跳ねた。少し低いトーンの声の主は月花だった。
振り向いたら、きっと命は奪われなくとも違う意味で殺されそうだから振り向かずにそれを精いっぱい否定した。
そしたら月花は俺の少しの望みすらも奪うような言葉を放った。


